合唱のための実践練習書（古橋富士雄　武田雅博）より抜粋しました。

本番前は誰でも緊張するものです。本番を悔いなく迎えるために、本番前に気をつけたいことはなんでしょうか。

●飲食での注意
本番直前に注意をした方がいい飲食は次の通り
・炭酸はＮＧ
　本番でゲップをこらえることになり、歌に集中できなくなる可能性があります。
・空腹も満腹もＮＧ
　空腹だと力が出ませんが、満腹でも眠くなったり、腹式での呼吸に影響が出たり、いいことはありません。
・ジュース系などの甘いものはＮＧ
　甘いものを飲み過ぎると逆に水を飲みたくなり、水分をとる回数が増え、本番を前に落ち着かなくなる可能性があります。
・飴のなめすぎはＮＧ
　喉にいいからと本番直前になめる方もいますが、なめすぎるとやはり水がほしくなることがあるので、咲けた方がよいでしょう。

●寝不足に注意
　食べ過ぎ、飲み過ぎに加えて、寝不足にも注意が必要となります。

●歌詞を書いてみる
　前の日に、歌う曲の歌詞を全部書いてみましょう。歌詞は覚えたと思っている人でも、あらためて書いてみると、気持ちに余裕ができて落ち着けます。もし自信のない箇所があったら、なおさら書いて覚えることが大切です。歌詞を覚えるコツは、手で書くことです。ただ丸暗記するためではなく、実際にひらがなで歌っていた歌詞が、熟語の漢字になるとイメージがはっきりするなど、良いことがたくさんあります。たとえば「まち」という言葉を書いたときに、「街」という字を書くのか「町」を書くのかでイメージが変わりますね。
「実際に歌わないと歌詞が出てきません」という人が時々いますが、「歌えばできる」というのは、歌詞がきちんと入っていない証拠です。最初から最後まで、漢字入りで全部書けるかどうかが、歌詞を覚えているかどうかの決め手になります。
　以前ある先生が、音大を受ける生徒に「暗譜できましたか」と尋ね、生徒は「はい！」と答えました。すると先生は五線紙を出して、「全部書いてごらんなさい」と言いました。この場合、歌詞だけではなく音符も書くのです。先生はさらに続けて「暗譜とはそういうことです」とおっしゃいました。これは専門家になろうとしている人の例ですが、「聴いてくださる人の心を揺さぶる」ことのできる演奏をするために、少なくとも歌詞を熟知した状態で演奏できるようにしましょう。

これまで使っていたteacupの掲示板が、2022年8月1日で終了しましたので、こちらに新規に作成しました。